「WSOFTScriptからの移行」の版間の差分
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AliceScriptによる開発と従来のWSOFTScriptによる開発の類似点と相違点について説明します。 | AliceScriptによる開発と従来のWSOFTScriptによる開発の類似点と相違点について説明します。 | ||
この記事では、AliceScriptによる開発に関心があるWSOFTScript開発者を対象に、WSOFTScriptとAliceScriptの開発の違いを解説しています。 | この記事では、AliceScriptによる開発に関心があるWSOFTScript開発者を対象に、WSOFTScriptとAliceScriptの開発の違いを解説しています。 | ||
WSOFTScriptについて詳しく知るにはWSOFTScriptのページを参照してください。[[https://wsoft.gq/script/]] | |||
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AliceScriptが登場するまで、簡易的なコンソールアプリケーションとShangri-laによるデスクトップアプリケーションの開発は、WSOFTScriptを用いて行われて来ました。まず第一に、WSOFTScriptのメインライブラリは複雑で、サイズも大きなものでした。また、組み込みの例外処理やデバッグ支援機能はまだ未成熟で、信頼性の高いアプリケーションを開発するには脆弱でもありました。 | AliceScriptが登場するまで、簡易的なコンソールアプリケーションとShangri-laによるデスクトップアプリケーションの開発は、WSOFTScriptを用いて行われて来ました。まず第一に、WSOFTScriptのメインライブラリは複雑で、サイズも大きなものでした。また、組み込みの例外処理やデバッグ支援機能はまだ未成熟で、信頼性の高いアプリケーションを開発するには脆弱でもありました。 |
2021年11月15日 (月) 05:09時点における版
AliceScriptによる開発と従来のWSOFTScriptによる開発の類似点と相違点について説明します。 この記事では、AliceScriptによる開発に関心があるWSOFTScript開発者を対象に、WSOFTScriptとAliceScriptの開発の違いを解説しています。 WSOFTScriptについて詳しく知るにはWSOFTScriptのページを参照してください。[[1]]
はじめに
AliceScriptが登場するまで、簡易的なコンソールアプリケーションとShangri-laによるデスクトップアプリケーションの開発は、WSOFTScriptを用いて行われて来ました。まず第一に、WSOFTScriptのメインライブラリは複雑で、サイズも大きなものでした。また、組み込みの例外処理やデバッグ支援機能はまだ未成熟で、信頼性の高いアプリケーションを開発するには脆弱でもありました。
AliceScriptが登場し、従来のWSOFTScriptはAliceScriptへと進化しました。AliceScriptのさまざまな改良により、ライブラリは小さくまとまり、組み込みの例外処理やデバッグ支援機能も実装され、信頼性の高いアプリケーションを開発することができるようになりました。しかしその一方で、WSOFTScriptに実装されていた一部の機能は実装されていなかったり、多くの組み込み機能を使用するためにAlice.Runtime.dllが必要になるなど、設計思想に起因するいくつかの根本的な違いも残っています。
この記事では、まず最初にAliceScriptで開発を始めるために必要な作業を確認します。(すでにAliceScriptを使用している場合はこのセクションを飛ばしても構いません)。次に、AliceScriptを使って簡単なコンソールアプリケーションを例として作成し、WSOFTScriptとAliceScriptの機能の類似点や相違点を実際に見てみます。
AliceScriptを使用するための準備
AliceScriptを使用したアプリケーションの開発についての説明の前に、まず、AliceScriptを実行できるコンピュータを用意する必要があります。.NETCore3.1がインストールされているコンピュータが必要です。そのようなコンピュータを用意できない場合は、WSOFTScriptと同じ要件で操作するAliceSisterを使用する必要があります。AliceSisterはAliceScriptとほぼ同じ動作をするAliceScriptの別の実装です。
自分のコンピュータでAliceScriptを実行する場合は、次のソフトウェアをインストールする必要があります。
- .NETCore v3.1以上
- AliceScript
.NETCoreのインストールについては、Microsoftの公式ガイドを参照してください。
- Windowsに.NETをインストールする[[2]]
.NETCoreに加えて、AliceScriptもコンピュータにインストールする必要があります。するには、AliceScriptのダウンロードを参照してください。
初めてのAliceScriptアプリケーションの作成
AliceScriptアプリケーションは、WSOFTScriptアプリケーションと同じように、任意のテキストエディタで作成できます。
それでは早速、簡単なコンソールアプリケーションをAliceScriptで作成して、AliceScriptアプリケーションの作成方法のWSOFTScriptとの違いについて実際に見てみましょう。任意のテキストエディタで次のコードを入力してください。
print(“Hello,World!”);
ファイルを保存したら、次のコマンドを入力して実行します。
alice -r {ファイル名}
Hello,World!と表示されれば成功です。
ここまでの作業を通じて、AliceScriptとWSOFTScriptとの大きな違いは見当たりません。これは、Print関数がWSOFTScriptと同じようにAliceScriptに組み込まれているからです。しかし、ファイル操作や正規表現など、WSOFTScriptには組みこまれていたがAliceScriptには組み込まれていない関数を使用する場合に注意が必要です。
AliceScriptのライブラリには、AliceScript.dllに加えて、Alice.Runitime.dllがあります。これは、AliceScript.dllと同じディレクトリに配置されているときにデフォルトで読み込まれる、AliceScriptのライブラリ群です。ここに、ファイル操作などのよく使う関数やクラスが実装されています。Alice.Runtimeに実装されている関数のうち、名前空間がAlice(名前空間)でないものは関数の使用前に次のようなコードが必要です。
import “{読み込みたい名前空間の名前}”;
次の例では、まずWSOFTScriptを使用してHello,Worldをテキストファイルに書き込みます。
file_write_text(“test.txt”,”Hello,World”);
このコードと同じ動作をするAliceScriptのコードは以下の通りです。
import “Alice.IO”; file_write_text(“test.txt”,”Hello,World”);
注目すべき唯一の違いは、